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【コラム8】ファイナンス講座2「金融機関は何を欲しているのか?2債務者区分と格付け」

金融機関の公共性よりその経営に関する安定度は常に要求されており、監督官庁である金融庁の「金融検査マニュアル」による検査や日本銀行法に基づく日銀の取引先である金融機関の支払い能力に重点を置いた日銀考査などが2~3年に1回1カ月程度実施される。

 

これらの検査に備えて金融機関側では独自のルールに基づき半年に1回「自己査定」により融資先企業に対する貸付金の債務者区分判定を実施しこれにより5つの債務者区分(正常先・要注意(要管理含む)・破綻懸念・実質破綻、破綻)に分類して回収可能性を見直し貸倒引当金を計上する。

 

これとは別に金融機関では融資先企業の決算期末4カ月から5カ月以内に「格付け」を実施し融資条件の見直しを実施している。

 

 

債務者区分判定により正常先と判定されなければ融資は困難になると言わざるを得ないし、格付けが前年度より下がればやはり融資交渉は厳しいものになる。

 

自社が優良企業であれば何ら問題がないように錯覚しがちだが、それでも課題はある。つまり金融機関に対する自社の現状や事業計画、抱えている課題について丁寧な説明や報告を日頃していなければ信頼を損なうことになり将来的に金融機関の協力を必要とする場合にスムーズな交渉ができない。

 

現状の業績が芳しくない企業の場合にはなおさら金融機関に対する誠意ある対応をしなければ債務者区分や格付けの引き下げの憂き目にあい資金調達に支障をきたす可能性がある。
金融機関が特に重視するのは①足元の業績が黒字か否か②営業キャッシュフローが黒字かどうか③自己資本がプラスかどうか④有利子負債返済年数は長期化(概ね10年)していないかどうかであり、業績が芳しくない場合で債務超過に陥ってなくとも①②が赤字になれば格付けを下げられる。

 

これをできるだけ回避或いは影響を軽微に抑えるため事業計画を策定し業績復活のしっかりした根拠のあるシナリオを金融機関に提示しなければならないし、その進捗状況についても金融機関のモニタリングのために毎月詳細に報告する必要があるのだが、この事業計画は金融機関の格付けが終了するより前に説明しなければ意味がないことに留意。

 

                             文責:髙田成郎

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